特別陳列 お水取り
2017/11/20

 奈良に春を呼ぶ行事とされる東大寺二月堂の「お水取り」は、正式には修二会(しゅにえ)といい、春を言祝(ことほ)ぐ仏教法会です。夕刻に二月堂へ向かう練行衆(れんぎょうしゅう)(参籠僧)の足下を明々と照らす「お松明」がよく知られていますが、法会の中心となるのは本尊・十一面観音菩薩に日頃の罪過を懺悔(さんげ)して五穀豊穣・除災招福を祈る「悔過(けか)」という儀式です。 
 「お水取り」は天平勝宝4年(752)に、東大寺の実忠和尚が創始したと伝えられています。それ以来、一度も絶えることなく「不退の行法」として、戦乱や火災などの危機を乗り越えながら、1260年を超える伝統を守り続けてきました。高名な「お水取り」の儀式は3月12日の深夜に行われますが、実際には2月20日から月末までの前行(準備・潔斎期間)と、3月1日から14日(15日未明)の本行とを合わせた約1ヶ月の間、様々な儀礼を執り行います。 
 本展は、毎年、「お水取り」がおこなわれる期間に合わせて開催する恒例の企画です。法会に用いられた法具や、儀式の様子を伝える文書、東大寺ゆかりの絵画、出土品などを通じて、奥深い「お水取り」の世界をご堪能いただければ幸いです。

二月堂縁起絵巻下巻(部分) (奈良・東大寺)



会 期

平成30年2月6日(火)~3月14日(水)

会 場

奈良国立博物館 東新館

休館日

2月19日(月)・26日(月)

開館時間

午前9時30分~午後5時(金・土曜日は午後8時まで)
※2月8日(木)・11日(日)~14日(水)は午後8時30分まで、2月9日(金)・10日(土)は午後9時まで開館(「なら瑠璃絵」開催期間中) 
※3月1日(木)・4日(日)~8日(木)・11日(日)・13日(火)・14日(水)は午後6時まで開館(二月堂 お松明の期間) 
※3月12日(月)は午後7時まで開館(二月堂 籠松明の日) 
※いずれも入館は閉館の30分前まで 

観覧料金

 

一般

大学生

個人

520円

260円

団体

410円

210円

※高校生以下および18歳未満の方、満70歳以上の方、障害者手帳をお持ちの方(介護者1名を含む)は無料です。
※団体料金は20名以上です。
※中学生以下の子どもと一緒に観覧される方は、団体料金が適用になります。[子どもといっしょ割引]
※2月22日(木)はご夫婦で観覧される方は半額となります。[夫婦の日割引]
※この観覧料金で、同時開催の特別陳列「薬師寺の名画」(西新館)、名品展「珠玉の仏教美術」(西新館)・「珠玉の仏たち」(なら仏像館)・中国古代青銅器[坂本コレクション](青銅器館)もご覧になれます。

公開講座

◇2月17日(土)「不退の行法、東大寺修二会(お水取り)」 
講師/北河原公敬 師(東大寺長老) 

主催

奈良国立博物館、東大寺、仏教美術協会