概要
黒田家歴代当主の武の装いが大集結
新春恒例の国宝の名物「圧切長谷部」や国宝「日光一文字」の公開を、より楽しんでいたくため、黒田官兵衛(如水)および歴代福岡藩主の甲冑と、藩主関連の刀剣や鎗(やり)と刀装具、さらに黒田家重臣の甲冑などを展示し、黒田家の歴代当主の武の装いと福岡の桃山~江戸時代にかけての歴史を紹介する新春の特別企画展です。
主 催
福岡市博物館、読売新聞社、NHK福岡放送局
会 期
平成30年1月7日(日)~2月12日(月・祝)
休 館 日
1月9日(火)、15日(月)、22日(月)、29日(月)、2月5日(月)
開館時間
9時30分~17時30分(入館は17:00まで)
観 覧 料
一般500円 高大生等400円 中学生以下無料
会 場
特別展示室B
展示紹介
今回の目玉の一つとして展示する作品に、二つの「金霰鮫青漆打刀拵(きんあられさめせいしつうちがたなこしらえ)」があります。一つは如水の愛刀「安宅(あたき)切(ぎり)」の拵で重要文化財、もう一つは同時期に黒田記念室で展示する国宝「圧(へし)切(きり)長(は)谷部(せべ)」の拵えです。二つの名刀の、反りの違いによる、鞘の曲がり具合の違いを除いては、豪華な造りなどまったく同じです。この二つの拵えを並べてご覧いただくことで、黒田家に伝来した刀剣の奥の深さを実感していただきたいと思います。筑前一国をこの鎗で手に入れたことから名づけられた「一(いっ)国(こく)長吉(ながよし)」など、黒田家初期の武功の証である名品の数々を紹介します。
今回は名物「圧切」や数々の名刀についての、長政の遺言や後世の藩主たちに伝えた刀の目録などを展示し、どのよう黒田家が名刀を大事に伝えて来たかなど、国宝「圧(へし)切(きり)」などの鑑賞をより楽しんでもらうための情報が満載のです。
黒田家伝来の甲冑の展示では、黒田如水の所用した「黒糸威五枚胴具足(くろいとおどしごまいどうぐそく)」は桃山時代からのたしかな遺品で、これには如水のひ孫で三代藩主黒田光之が、如水の武功を忍んで造らせた朱漆塗合子(しゅうるしぬりごうす)兜(かぶと)が組み合わされて、現在まで黒田家の重宝として伝来していました。
如水の子・長政については、関ヶ原の合戦で東軍の徳川家康を勝利に導いた功績で、家康から授かった、黒漆塗南蛮鉢歯朶前立兜(くろうるしぬりなんばんばちしだまえだてかぶと)を展示します。歴代藩主の甲冑も、長政の一の谷形兜(いちのたになりかぶと)、大水牛兜(だいすいぎゅうかぶと)を模した二代以降の藩主の具足、ユニークな二代藩主忠之の鯰尾形兜(なまずおなりかぶと)、中期藩主の金泥(きんでい)の藤(ふじ)巴(どもえ)の前立に室町時代風の復古調の豪華な甲冑など、歴代藩主たちの武人としての移り変わりを感じさせます。このほか、長政の重臣の甲冑も展示しますが、そのなかの黒田二十四騎の一人・黒田一成(かずなり)(三奈(みな)木(ぎ)黒田家)の兜は、脇立ての飾りのあまりの大きさから戦場で目立ちすぎ、敵の大砲の的にされたと言われます。
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