呉昌碩とその時代―苦鉄没後90年―
2018/01/03

呉昌碩とその時代―苦鉄没後90年― / 東洋館 8室   2018年1月2日(火) ~ 2018年3月4日(日)

墨梅自寿図軸(部分) 呉昌碩筆 中国 中華民国14年(1925) 青山杉雨氏寄贈

清時代の末期から中華民国の初期にかけて、書・画・印に妙腕をふるった呉昌碩(ごしょうせき、1844~1927)は、300年近く存続した清王朝の掉尾(ちょうび)を飾る文人として知られています。

初名を俊(しゅん)、のちに俊卿(しゅんけい)といい、中華民国元年(1912)から昌碩と改めました。幼少から私塾に通い勉学を積みますが、太平天国の乱によって一家は離散、17歳から21歳まで凄惨な放浪生活を強いられました。乱の平定後は村人に学問を教えたり、地方の小職に就いたりしながら、書画篆刻にいそしみます。56歳のときに安東県(江蘇省)の知事となるも、腐敗した官界に耐えられず1ヶ月で辞職。その頃すでに盛名を馳せていた呉昌碩は書画篆刻で生計を立て、84歳で没するまで在野の職業文人として、旺盛な創作を展開しました。呉昌碩は終生、紀元前5世紀ごろの古代文字である石鼓文の臨書に励み、その風韻を書・画・印に結実させました。不器用なまでの重厚な運筆の中にも、キラリと光る輝きを秘めた作風は多くの人々を魅了し、日本にも熱烈な愛好者がいます。

呉昌碩の没後90年にあたる今年度、台東区立書道博物館との連携企画第15弾として、さらには朝倉彫塑館を加えた3館のスペシャル企画として、呉昌碩の作品を概観し、その業績を顕彰します。

担当研究員の一言

日本にも熱狂的なファンを持つ清朝最後の文人呉昌碩。その模索時代から最晩年までの作品を一挙公開!/富田淳

 主な出品作品

行書斉侯罍識語軸 呉昌碩筆中国 清時代・光緒28年(1902) 個人蔵
墨竹図軸 呉昌碩筆中国 清時代・19世紀(2018年1月28日まで展示)
雲根図軸 呉昌碩筆中国 中華民国元年(1912) 個人蔵(2018年1月28日まで展示)
山水図軸 呉昌碩筆中国 中華民国3年(1914) 大阪市立美術館蔵(2018年1月30日から展示)
斉雲館印譜 呉昌碩作中国 清時代・光緒2年(1876) 小林斗盦氏寄贈
海浜話別図巻 陸恢筆中国 中華民国3年(1914) 京都国立博物館蔵(2018年1月28日まで展示)
臨石鼓文軸 呉昌碩筆中国 中華民国14年(1925) 林宗毅氏寄贈
行書王維五言句横披 呉昌碩筆中国 中華民国16年(1927) 個人蔵

交通のご案内

JR上野駅公園口、または鶯谷駅南口下車 徒歩10分

・東京メトロ 銀座線・日比谷線上野駅、千代田線根津駅下車 徒歩15分

・京成電鉄 京成上野駅下車 徒歩15分

・台東区循環バス「東西めぐりん」で上野駅・上野公園バス停から乗車し、1つ目のバス停が東京国立博物館前(2分)。

お車でお越しの方

 ・首都高速道路 上野線 上野出口 5分

車椅子でのご来館の場合は当館総務課までご相談ください。一般の方は駅周辺の駐車場をご利用ください。

料金のご案内

一般620(520)円、大学生410(310)円

黒田記念館

入館無料。(正門を入らず黒田記念館の建物へ直接ご入館ください)

資料館(図書・写真の利用)

入館無料。資料館のみをご利用の方は、西門(通用門)よりご来館ください。
博物館正門から入館された方は、資料館東口よりご利用いただけます。

 開館時間のご案内

9:30~17:00(入館は16:30まで) 
黒田記念館は通年で9:30~17:00(入館は16:30まで) 
資料館は9:30~17:00(月曜日から金曜日) 

休館日のご案内

月曜日(ただし月曜日が祝日または休日の場合は開館し、翌平日に休館)、年末年始(2017年12月26日~2018年1月1日)。ゴールデンウィーク期間とお盆期間中(8月13日~8月15日)は、原則として無休。

資料館は、土曜日・日曜日・祝日、毎月の末日(休日にあたる時はその前日)、年末・年始。その他臨時に休館することがあります。

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