2018年5月25日(金)~7月1日(日)
自在な描線とともに墨の濃淡やぼかしを駆使する水墨画は、東アジア特有の絵画の形式です。たんに対象の形を捉えるだけでなく、移ろう大気や光、人や動物が発する声や音、そこに宿る精神性といった見えないものまで表現できる点は水墨画ならではでしょう。中国・唐代に成立した水墨画は、鎌倉時代の日本に伝わり、室町時代を代表する絵画となりました。
大和文華館の水墨画コレクションは、可翁、愚谿に代表される初期水墨画に始まり、周文、文清、雪舟、雪村、狩野元信、尾形光琳、伊藤若冲、浦上玉堂など、水墨画壇を彩る画家たちの作品が所蔵されます。彼らは画中にその名前を残すことで、自分の作品であることを示し、画技を競いました。
本展覧会では所蔵する7件の雪村作品を同時に公開するとともに、館蔵水墨画の名品を展示します。日本絵画史において重要な水墨画の流れをたどります。個々の作品から窺える画家の個性、その競演をお楽しみ下さい。
主要展示品
重要文化財 自画像 雪村周継筆
重要文化財 維摩居士像 文清筆
重要文化財 雪村周繼《呂洞賓圖》
会期中のイベント:
1、特別講演 6月17日(日)14:00から講堂にて
「雪村の画業とその魅力」 千葉市美術館館長 河合正朝氏
2、日曜美術講座 6月24日(日) 14:00から講堂にて
「日本水墨画の誕生」 当館学芸員 古川攝一
3、講座 美術の窓 6月3日(日) 14:00から講堂にて
「墨摺版画の魅力」 当館館長 浅野秀剛
4、文華苑講座 5月27日(日) 14:00から講堂にて
「日本・中国および欧米のボタンの歴史と文化」島根大学名誉教授 細木高志氏
5、列品解説 毎週土曜日14:00から展示場にて(当館学芸部による)
案内:
月曜日休館
開館時間 午前10時~午後5時(入館は午後4時まで)
入館料 一般 620円 高校・大学生 410円 小学・中学生 無料
アクセス:
所在地:
〒631-0034 奈良県奈良市学園南1-11-6
交通:
近鉄奈良線「学園前」駅下車徒歩約7分
大阪難波駅から約25分
近鉄奈良駅から約 9分
近鉄京都駅から約45分