「日本の美とシルクロード」展
平成30年3月21日(水)~9月21日(金)
〈会期中無休〉
2017平山郁夫画伯はシルクロードでの取材を続けるなかで次のように述べました。
「過酷な自然環境に耐えながら、生活を切り開いてきた大陸の文化とは違い、日本人は古代から自然と調和するように生きてきました。自然の借景を活かし、建物と風景が一体となるような日本人の造形感覚は、西洋の幾何学的な見方とは明らかに異なったものです。シルクロードの乾燥した砂漠地帯を旅して帰ってくると、私は無性に日本の潤沢な緑が描きたくなります。」
両者の異なる自然と文化の対比を、画伯が変わらぬ愛情を注ぎながら描いた作品をご紹介します。
主催
公益財団法人平山郁夫美術館
後援
広島県、広島県教育委員会、公益財団法人ひろしま文化振興財団、尾道市、尾道市教育委員会
会場
平山郁夫美術館(広島県尾道市瀬戸田町沢200-2)
入館料金
一般900円、高大学生400円、小中学生200円
開館時間
午前9時~午後5時(入館は4時30分まで)
主な展示作品
≪八雲立つ 出雲路古代幻想≫ 平成10年 第83回院展 平山郁夫シルクロード美術館蔵
出雲で本当に八雲が立つ光景が見えるのだろうかと、何回か訪ねるうちに、ある早朝、加茂町の光明寺周辺は霧が立ちこめているとの期待していた情報で、濃霧の中を車で急行した。もくもくと湧き出づる雲海が眼下に見えた。雲の上に山の嶺を処々に見せていたが、神秘的で、感動的な八雲立つ情景に言葉を失った。これぞまさしく、神話の世界であり、幻想の世界である。きっと古代の人々は、この神秘的な美しい世界に神々を思ったのであろう。
≪アンコールワット遺跡 朝陽≫ 平成4年 第77回院展
アンコールワット本殿を、少し角度を変えて見るのも新しい発見がある。北側に回ると、樹木の間から、塔を中心とした構造物が複雑に見え、一段と奥行を感じさせる。
≪群畜穹閭≫ 昭和48年 第58回院展
シリアのアレッポのバザールは国際的に名高い。ここの家畜市場を訪れた。人や動物の体臭、騒音と熱気。加わるにアラブ特有の羊料理の臭気。羊、山羊、牛など時に一万頭以上が集まるという大市場の雰囲気を再現しようとした作品である。
≪天かける白い橋 瀬戸内しまなみ海道≫ 平成12年 第85回院展