戸栗美術館 古伊万里植物図鑑展
展覧会概要
日本には、昔から四季折々の植物を楽しむ風習があります。特に工芸品には、それらをあらわしたものが少なくありません。伊万里焼も例にもれず、植物を形や文様のモチーフとしたものが多くみられます。子孫繁栄(瓢箪)や歳寒三友(松竹梅)、不老長寿(菊)など、中国から伝わった「吉祥の意」を内包しているものもありますが、中には中国由来の意味だけではなく、日本的なおめでたい意味を持つものもあらわされています。
伊万里焼の生産がはじまった江戸時代は、次第に園芸が盛んになり、植物栽培の手引書が多数出版された時代でもあります。菊番付などにみられるように、植物に対する賞玩文化が広がりをみせ、伊万里焼のモチーフにも身近な植物が採用されていきます。江戸末期には日本初の彩色植物図鑑が刊行され、以降の植物図鑑の礎を築きました。
今展では約80点の出展作品にあらわされた植物を、江戸末期に刊行された『本草図譜』を参考に、図鑑形式にてご紹介いたします。古伊万里植物図鑑を一緒に紐解いてみましょう。
展覧会の見どころと主な出展作品
図鑑形式で展観する、植物モチーフ
染付 花唐草文 瓢形瓶 伊万里
江戸時代(17世紀末~18世紀前半)高31.8㎝ 戸栗美術館所蔵
第1章:植物に込められた人々の願い
色絵 松竹梅文 瓶 伊万里
江戸時代(17世紀中期)高17.9㎝ 戸栗美術館所蔵
第2章:江戸の人々に寄り添い、四季を彩る植物
色絵 藤花文 瓶 伊万里
江戸時代(17世紀後半) 高18.7㎝ 戸栗美術館所蔵
染付 茗荷形皿 伊万里
江戸時代(17世紀後半)口径10.0×6.8㎝ 戸栗美術館所蔵
色絵 龍文 菊花形鉢 伊万里
江戸時代(17世紀末~18世紀初)口径26.5㎝ 戸栗美術館所蔵
同時開催
第3展示室「磁器生誕から100年の変遷」
伊万里焼の創始期から元禄年間までの100年を年代順にその様式の特徴に沿ってご紹介いたします。
特別展示室「伊万里焼ができるまで」
伊万里焼の製造工程や江戸時代の陶工の姿などをご紹介いたします。
1階やきもの展示室「第5回 たなかふみえ作品展」
今の生活にも溶け込む伝統文様を描いた器を制作しています。今回は「花ごよみ」と題し、1年間12ヶ月の花を描いた作品を展示いたします。
■会期 2018年7月4日(水)~9月22日(土)
■開館時間 10:00~17:00(入館受付は16:30まで)
※毎週金曜は10:00~20:00(入館受付は19:30まで)
■休館日 月曜
※7月16日(月・祝)・9月17日(月・祝)は開館、
7月17日(火)・9月18日(火)は休館
※毎月第4月曜(7月23日・8月27日)は、展示室でお話ししながらご鑑賞いただけるフリートークデーとして開館
●入館料一 般 1,000円 (800円)
高大生 700円 (500円)
小中生 400円 (200円)
※( ) 内は20名以上の団体料金
公益財団法人 戸栗美術館
●住所〒150-0046 東京都渋谷区松濤1-11-3
tel. 03-3465-0070
●交通渋谷駅ハチ公口より徒歩15分
京王井の頭線神泉駅北口より徒歩10分