【独占代理 限定販売】 田辺竹雲斎作品集
2018/12/19
夢工房 BAMBOO COLLECTION vol.1
田辺竹雲斎作品集
夢工房は古美術・骨董を販売するお店です。自分たちの価値観に合う品物やお客様に喜んでもらえるようなお道具を選んで売買しています。またもう一方で、販売目的だけではなく、素晴らしい芸術性や高い価値を持った美術品をカテゴリの枠に捉われず蒐集することもございます。その一つとして力を入れているのが竹工芸です。今回、大阪の堺を拠点に明治期より続く「田辺竹雲斎」の作品を集めた本を制作致しました。4代続く竹雲斎は、それぞれの時代を意識しながら、受け継がれた高い編組技術と独創的な素晴らしい感性で多くの美しい作品を生み出してきました。その美しさや希少価値の高さは海外でも広く認知されており、この竹雲斎の良さを多くの皆様にご覧いただけるよう作品集としました。初代から四代までの夢工房コレクションが掲載され、歴代の竹雲斎の作風や技術、芸術的感性の遷移をご覧いただくことができます。
この本は、夢工房スタッフにより撮影、構成、編集されて制作されました。統一感のある構成や作品の美しさを損なわない撮影など工夫したところはたくさんあります。イメージカラーとして選んだ鮮やかな青い表紙、誌面の材質や色にもこだわり、納得の一冊となりました。もちろん多くの皆様に手に取って頂きたく、販売もしております。ご興味がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
定価(1冊)20,000円 (限定数700)
作者紹介:
初代 田辺竹雲斎(1877-1937)
12歳で当時名エとして著名であった大阪の初代和田和一斎に弟子入りし竹芸を学ぶ。明治34年、和一斎のもう一つの号であった竹雲斎を譲られ独立する。その後、多くの茶人を翡出し、芸術に理解の深い町である堺で、美術家と交流を深め、作家としての自分を研鑽に励む。緻密に編んだ唐物を得意とし、文人画家柳里恭との出会いが、柳里恭式という独創的な花籠を生み出します。また古矢竹の装飾を生かした作品や太めの竹材を粗く編んだ荒編みも、その作風としました。こうして大阪の竹工芸重鎮としてのを地位を確立しました。
二代 田辺竹雲斎(1910-2000)
初代の長男として生まれ、幼少より父のもとで竹工芸を学びます。初代没後1937年二代竹雲斎を襲名し、独自の作品を生み出します。極細の竹ひごを用いた透かし編みを代表的な作風とし、光と影の美しい造形を創り出しました。また抜き編みと呼ばれる細いひごを積み上げ、シンプルでありながら全体の造形に存在感をもたらす作品も魅力です。煤竹を用いた荒編みは初代より受け継がれていますが、二代自身の意匠へと展開させておりその変化を感じる作品も楽しめます。日展の審査員や評議員などの要職も務め、大阪の工芸界に貢献した作家の一人でした。
三代 田辺竹雲斎(1940-2014)
幼少から絵や工作が得意で、高校卒業後は初代竹雲斎の高弟である大久保尚竹斎に竹芸を学ぶ。その後武蔵野美術大学工芸工業デザイン科を卒業後、堺に戻り本格的に竹芸を始める。そして初代や二代の作風とは違う独自のスタイルを見出します。それが矢竹をそのまま用いて、直線や円形で面を構成する量感ある作品です。点と線を意識した作風を用途のない造形へと展開させていきます。昭和44年二代竹雲斎から「小竹」の号を授かり、平成3年51オで三代竹雲斎を襲名。のちに個展を中心に作品を発表していきます。
四代 田辺竹雲斎(1973- )
大阪府堺市に三代の次男として生まれる。東京芸術大学美術学部彫刻科を卒業後、大分県別府市にある竹工芸訓練支援センターで2年間竹の基礎技術を学ぶ。その後、父三代竹雲斎のもと竹工芸を学ぶ。伝統的な技術や精神を受け継ぐ作品を制作、発表しつつ、もう一方でインスタレーションと呼ばれる空間を利用した大規模な立体作品の創作活動を始める。竹工芸という枠にとらわれず、現代性や芸術性を意識した四代竹雲斎の創作意欲を強く感じる新しいスタイルです。大規模に組まれた竹材は展覧会終了後に解体し再利用される手法は、次作につなげるという彼のコンセプトを意識させる。海外での活動も精力的に行われ、その認知度も高まっています。