梅雨の滔々とした時間が流れる午後、私どもは『和器競売オークション2020 夏 大阪(※7/27(月)-28(火)開催)』の作品の中から厳選した優品を手に村田理如氏を訪ねた。
村田氏は清水三年坂美術館の館長や並河靖之有線七宝記念財団理事を勤めており、幕末・明治期を中心とする細密工芸に関して非常に造詣が深い。
訪問先は村田氏が館長を勤める三年坂美術館。
三年坂美術館は京都・清水寺にほど近い風光明媚な場所に軒を構える。
背景となった文化を理解する事。
作家同士の関係性の面白さ。
施された技巧をしっかりと観察する事。
村田氏と談話をしていると、何ものにも代えがたい心に残る豊かな時間こそが、美術そのものだと教わる事ができる。
千年の都・京都に息づく歴史を感じつつ、村田氏の美意識に触れる貴重な時間を皆様と共有したい。
なお、今回の村田氏への貴重なインタビューは三回に分けて詳しくお届けする。
今回は第一弾だ。
・L313 銀胎七宝瓢箪形芝山花瓶一対 H*19.5/Φ*10/W348g;370g 木箱
→高級品として知られる芝山蒔絵の良いものである。
銀と七宝、貝や象嵌、彫刻も非常に丁寧である。
技術を感じる逸品に間違いない。
本作は一流の芝山蒔絵である。
銘があるなしよりも出来次第で値段が変わって来る。
しっかりと丁寧に鑑賞したい。
・L084 後藤一乗作雲龍彫鍔
H*5/W*7/L*7.5/155g 木箱
・L084 後藤一乗作雲龍彫鍔 H*5/W*7/L*7.5/155g 木箱
→雲や霞のデザインなどが独創性がある。一乗らしいオリジナリティのある素晴らしいディティールを見る事が出来る。
本物に間違いなく、非常に良いもの。
村田氏のお墨付きだ。
正阿弥勝義にもこちらと同画題の作品があり、実は一乗の兄が正阿弥勝義に弟子入りしており、一乗と正阿弥勝義の関係は長く、図案など刺激しあっている。
当時の作家らの交流関係を見て取れるのも本作のポイントである。
表面『安静七申年 立春 東府榮南 桜川透作之』內側『後藤法橋 時年七十翁 一乗(花押)』
花押参考出自『金工辞典』若山泡沫著昭和45年発行
・L343 正阿弥勝義作梅花象嵌香盒
H*1.8/W*5.3/73g 木箱
→正阿弥勝義独特の象嵌であり、間違いない。
内側に松竹梅の象嵌を施して完成となる途中の作品(未完)だが、作品自体に隙はなく、造形は確かなものだ。
参照資料 雑誌『骨董緑青vol32 驚艷世界的幕末明治金工』
いかがだったであろうか?
村田氏を囲む輪は自然と笑顔になり、芸術談義の話は弾む…─
次回、第二弾を乞うご期待!
【和器競売2020夏季拍賣會 大阪】
【会場】
千里阪急酒店 2F 樹林の間
〒560-0082
大阪府豊中市新千里東町2丁目1
電話: 06-6872-2211
【預展】
7/27 13:00-20:00
7/28 10:00-14:00
【拍賣會】
7/28 14:00-19:00(預計)
※具體時間如有變動,將隨時在KEIBAY官網發佈,請予以確認!
(https://www.keibay.com/)